
【低温真空製法】
ビーツの水煮で栄養を極限まで保持
ビーツ専門食品メーカー、BETTE創業者の山田真輝です。私たちが提供する定番商品「ビーツの水煮」は、単なる手軽な加工食品ではありません。ビーツの持つ可能性を最大限に引き出し、皆様の食卓へ最高の状態でお届けするために、私たちのものづくりへの情熱と緻密な設計を閉じ込めた結晶です。
ビーツは素晴らしい栄養価を持ちながら、「下処理や調理が大変」というイメージが先行していました。このハードルをどう乗り越え、日々の生活に無理なく取り入れてもらうか。そして、その魅力を余すことなく伝えるためにはどうしたら良いか。その答えを探求し続けた結果、この「ビーツの水煮」は誕生しました。
100回近い実験を重ね、サイズ、食感、色合い、味わい、そして最も重要な栄養素のバランスにおいて、妥協のない最高の状態を追求しました。シンプルに見える商品だからこそ、わずかな変化が大きな違いを生む。今回は、なぜ私たちの水煮がこの形になったのか、その裏側にある信念と技術をご紹介します。
試作の末、「これだ!」というビーツの水煮ができた瞬間の酒井高聖(共同創業者)
鮮度と栄養素を両立させる「低温真空製法」
ビーツが持つ魅力は、その鮮やかな赤色を司る強力な抗酸化成分「ベタシアニン」をはじめ、「ビタミンC」や造血に不可欠な「葉酸」、さらには持久力向上を助ける「硝酸塩」など、非常に豊富な栄養素にあります。しかし、これらの多くは水溶性で熱に弱いという性質を持っています。市場に流通する多くの水煮は、常温での長期保存を可能にするために、最低でも120度で4分以上の加熱殺菌が施されます。その結果、熱に弱いベタシアニンは約81%, 葉酸は50%前後も減少することが報告されているのです。また、茹でてからパックする製法では、大切な水溶性の栄養素の多くが茹で汁に流れ出てしまいます。
BETTEが辿り着いた答えは、「低温」と「真空」の徹底でした。熱に弱い栄養素を極力壊さないよう、低温で時間をかけてじっくりと加熱すること。そして、水に溶け出す栄養素を逃さないために、ビーツを真空パックに詰めてから(水に触れさせずに)加熱する「低温真空製法」を採用しました。これにより、栄養素を極限まで保持したまま、ビーツを水煮としてお届けすることが可能になったのです。
低温・真空加熱だからこその旨み・色・栄養素が残る
コストと流通の壁を超えて選んだ「本質的な価値」
なぜ、この「低温真空製法」を採用したビーツ水煮が他社に少ないのか。その理由はシンプルです。一つは「加工コストの高さ」。個包装してから加熱するため、一度に加熱できる量が限られ、生産効率が低くなります。そしてもう一つが「常温流通の壁」です。常温で販売するためには高温での殺菌が必須であり、低温製法ではそれが不可能となります。これは、流通や販売のハードルを大幅に上げることを意味します。
私たちはレトルト加工や缶詰といった従来の製法を否定するつもりは一切ありません。様々な選択肢があることは、消費者にとっても良いことです。しかし、ビーツが持つ本質的なポテンシャルを最大限に活かすには、どうすれば良いか。他社が踏み込まない領域で、ビーツの専門家として何ができるのか。その問いに向き合い続けた結果、BETTEは、この「低温真空製法」という、非効率でも栄養価と美味しさを最優先する道を選びました。
BETTEのビーツの水煮。この中に美味しさも栄養素もギュッと閉じこもっています
原材料は「ビーツと水」のみ。シンプルさが広げる可能性
BETTEのビーツ水煮のこだわりBETTEのビーツの水煮の原材料は、一切の保存料や着色料を排除し、「ビーツ」と「水」のみ。このシンプルさが、私たちの品質への自信の証です。素材本来の味を活かしているからこそ、小さなお子様の離乳食から、高いパフォーマンスを求めるアスリートの補食まで、安心してお使いいただけます。
こんな方におすすめ- 手軽に高栄養価なビーツを摂りたい方
- 離乳食や子どもの食事に安心・安全な食材を使いたい方
- スムージーやサラダなど幅広いアレンジを楽しみたい方
- パフォーマンス向上を目指すアスリートや健康意識の高い方
また、余計な味付けがないため、サラダ、スムージー、スープ、煮込み料理と、どんな料理にも幅広くアレンジが可能です。シンプルだからこそ、ビーツ本来の持つ「味の違い」が明確に伝わる。そして、その美味しさが、皆様の食卓を豊かにすると信じています。
セロリとビーツのフレッシュサラダ(ビーツの水煮のレシピはWEBやINSTAGRAMでも公開中)
ビーツの水煮をつかったポタージュ
ビーツの水煮を汁ごと使えるビーツスムージー
生産者の思いと持続可能な農業への貢献
私たちが使用するビーツは、兵庫や京都の提携農家の方々が、農薬と化学肥料を使わずに育てたものです。小ぶりでも、最も栄養価が高く美味しい状態のビーツを厳選しています。私たちは、単に商品を製造販売するだけでなく、地域に新しい農業の価値を創造し、ビーツを通じて「食べ手と作り手をつなぐ」存在でありたいと考えています。手間を惜しまず、愛情を込めて育てられたビーツの力を、そのまま食卓へ。この水煮には、生産者の思いと、持続可能な農業への願いも込められています。
BETTEの「ビーツの水煮」を一度お試しいただければ、その味わいと使いやすさ、そして込められたこだわりを感じていただけると確信しています。しかし、私たちの挑戦はまだ道半ばです。「もっと使いやすく」「こんな商品もできないか」。お客様からのどんな小さな声も、私たちにとっては未来を形作る大切なヒントです。皆様と共に、ビーツの無限の可能性を追求し、最高のビーツ体験をお届けしていきたい。それが、BETTEの願いです。
ビーツの畑(兵庫県朝来市)
収穫したてのビーツを水煮にしています。